強みで戦えるチーム作り

合宿三日目の夜、高校生相手にやりたい事をさせてもらえず、2連敗した選手達は多少落ち込んでいるようにも見えた。

私はその晩のミーティングで「勝つためにどう戦えばいいのか?」と選手達へ問いかけた。ミーティングを通して、私が選手へ伝えたいことはシンプルで、弱みで戦おうとせず「強みで戦おう」ということだった。

日本の子ども達を指導していると顕著であるが「弱みは何か」と聞くと幾つも出てくるのだが、「強みは何か」と聞くと、なかなか出てこないものだ。

このミーティングでは、各選手の強みを選手同士で語らせ、簡単に言えば褒め合うのだ。褒められて気分の悪い選手はいなく、自然と笑顔が溢れ、ポジティブな空気感が出来上がるので、より本音で話しやすくなる。

本質的には、強みを知る事で、初めて戦う準備が整うと私は思っている。

野球はスポーツの中でも、非常に失敗の多いスポーツであり、負けが続くと悲観的になってしまう。

負の連鎖に捉われれば、自分の苦手な部分の修正にばかり意識がいき、自然と失敗しないためにプレイをしてしまう。本人が思っているほど悪い状況ではなくとも、気付きを自分で得ることが難しいのが野球でもある。

また、敢えて作られた環境の中であっても、チームメイトが認めてくれる事で、お互いの存在意義を改めて認識し、それぞれの自己肯定感が上がると私は信じている。

香港野球への期待

そして翌日、合宿最終日の相手は台湾の社会人野球チーム「綺麗珊瑚成棒隊」だった。

香港代表の先発は、長年に渡り香港代表を牽引し、先日行われた台湾プロ野球のトライアウトを受験したケネフを指名した。

数日前から、彼に「香港野球の進化を見せよう」と語っていた。アメリカの大学でのプレイ経験があり、英語も堪能で、私の想いを深く理解している選手の一人である。彼は、私の期待に応える準備と態度、そして振る舞いで試合に望んでくれた。

しかし、現実は甘くなく、試合は4-7と敗北した。またも、点数は取れたが、後続の投手陣も安定せず徐々に離されてしまった。

残念ながら、合宿での試合は全敗に終わってしまった。

今回の合宿を通して、選手と香港野球協会関係者との信頼関係を構築することが出来たのは今後の財産になった。

結果のみを見れば、マイナスからのスタートかもしれないが、ある意味私の挑戦らしいスタートだと前を向いて進んでいきたい。

Respectfully,

TOMA