チームの成長

3月27日、最終日の相手は石巻専修大学だったが、朝から生憎の雨だった。中止になる可能性が高かったが、香港代表団は試合会場の石巻市民球場まで向かった。

石巻市民球場へ向かう道中、残念ながら中止の電話が入ってしまった。

中止の知らせを伝えると、本当に残念がる選手達。チームの雰囲気も、選手の意識も変わり始めていただけに、私も残念だった。

そして、何人かの選手が「待ってもダメなのか。野球がしたい」と何度も言ってくる。

*試合は出来なかったが、震災で被災しMLBが復旧に寄与した石巻市民球場にて撮影

私は石巻専修大学の酒井監督に再度電話をし「大学生の練習に混ぜてくれませんか」とお願いをした。酒井監督は、快く受け入れて下さり、石巻専修大学の室内練習場に向かうことになった。

限られたスペースであるため、香港代表団から6人の選手を選抜し、お邪魔することにした。

年齢や言葉、国籍は関係ない

室内練習場へ到着すると、石巻専修大学の1軍の選手達が快音を響かせていた。嬉しいことに、チームの中心選手に私の高校の後輩がいた。

その選手から直接手解きを受け、私は彼の言葉を通訳していた。

香港代表選手の真剣に耳を傾ける姿勢が、私は好きだ。

言葉、年齢、そして国境など関係ない。

ここには野球というスポーツが生んだリスペクトがある。

次のレベルを目指して必死に汗を流す後輩がいて、そこに私が教える香港代表団の選手がいる。

凄く不思議な気持ちだったが、可能性いっぱいの選手たちの未来に「幸あれ」と心の底から願っていた。

後半は、酒井監督より直接投手へ指導して頂いた。

練習で心がけることや、試合での組み立て方などを教授していただいた。

さらに、香港の選手が「ここに来れなかった選手からも質問を預かっている」と言うのだ。

チームを代表して学びに来ているという真摯な姿勢に、再び私は心を打たれた。

私も1人の人間として、もっと成長しなければと鼓舞されていた。

そして、野球が好きで、野球に対して直向きな選手たちの成長を、少しでも長く見届けたいと心から思えた。

この日の帰り、香港代表団は再び野球用品店へいき、松島の「さかな市場」にて、宮城の新鮮な海の幸を堪能した。翌日の朝、香港代表団は帰国の途についた。

香港代表団のこれから

今回、最終的には1勝2敗と悔しい結果に終わったが、野球の知識や経験だけではない価値と出会えた時間だった。

選手の学びたいという姿勢が、それ以上の価値と出会わせてくれたと私は信じている。

香港野球代表団は、約1ヶ月後にグアム、フィリピンへと強化試合へいくことも計画している。

そして、5月には中国の全国大会へと出場する。帰国後、この学びをどこまでチームに浸透させられるかが楽しみだ。

Respectfully,

TOMA