マイナースポーツと貧困という課題

どこの西アジア地域の国もそうですが、野球の認知度は簡単に言えば「マイナースポーツ」でしかないのです。

そこに、道具やルールの複雑さが相まって、

より野球への参画を難しくしています。

それでも、野球の魅力に取り憑かれた青年の想いや輝く目は「人」を突き動かすと改めて感じたネパールへの渡航でした。

ネパール軍へ潜入

ネパール滞在時、

普段は入る事のできない軍隊の野球チームを訪問させてもらえました。

その日は12名の選手が練習をしており、キャッチボールの時点で、直ぐにクリケット経験者だと分かりました。

クリケット独特のフォームから繰り出されるボールは、正確に相手の胸に届き、捕球から持ち替えのスピードが非常に早いのです。

難点は、どんな球でも両手でとりにいく為、リーチが短くグローブを活かしきれないところでしょうか。

まさに、西アジア地域特有のクリケット野球です。

私が出会った24歳の軍人青年は、身体が強く、野球に対する姿勢が素晴らしかったです。

彼のような若者がネパール代表を牽引し始めたら、2017年、2019年の西アジアカップがより盛り上がる事は間違いないと思いました。

ネパールがイラン、インドの2位争いに加わる日もそう遠くはないだろうとも感じました。

野球の普及・発展を支える側としては、このような嬉しいニュースが活動を継続していく気持ちを支えてくれるのです。

真の発展・普及を妨げる発展途上国の事情

ただ有望選手に出会えても、
野球界へ導くには多くのハードルがあるのが野球後進国です。

大陸繋がりの地域であっても、宗教、文化、言語が違う為、

それぞれの国で同じようで違う課題が常に付きまとい、

思い通りにいく事は少ないのが現状です。

例えば、今回出会った将来有望な軍人青年の代表チーム招集すら、

軍隊、野球連盟、オリンピック委員会等の各組織の連携が不十分であり、

現状は代表チーム召集が不可能に近いのです。

これから、各組織・連盟の関係調整と野球をする為の環境整備という、

大きな課題が待ち受けています。

また、道具を提供する、野球を紹介する、

そして国内大会のマネジメントに関わる等の活動も、常に質を上げていかなければ、

現地の人を喜ばせる事が出来ても、主体性を育む事が出来ません。

「誰かがやってくれる」という認識を持たれてしまえば、

普及と発展の足はとまります。

現地人と距離をとり過ぎても、近くなり過ぎても良くないという、

この「距離感」が一番難しいのです。

現地の野球関係者の主体性を育む仕掛けを作り、

共に前へ進まなければなりません。

私たち日本人が去った5年後、10年後に成長した満足げな彼らに出会うためには、

全てやってあげるという一番簡単な行為をしてはいけないにです。

以上の様なタレント発掘と、

次の世代に繋げる為に歩む道を作る環境整備を、

各国が違う事情を乗り越え、継続して活動していかなければなりません。

活動を継続していく上で、失敗する事もありますが、

野球を通して現地の人々に「幸せ送り」をどのようにしたら続けられるか

常に葛藤しているのが現場です。

Respectfully,

TOMA