ニカラグア女子野球を創造した日本人

こんにちは❗️

2018年6月まで
JICAの青年海外協力隊で中米ニカラグアで野球を教えていました

阿部翔太と申します。

ニカラグアは
ラテンアメリカ投手で1番勝利数を挙げたデニス・マルティネスをきっかけに野球が国技となりました。

今回、10月10日〜21日 まで再びニカラグアへ

野球教室並びに、

ニカラグア女子野球選手日本誘致プロジェクト

のため滞在致します。

野球大国ニカラグア

ニカラグアは中央アメリカに位置し主な産業は農牧業で、

コーヒー、米、牛肉、サトウキビが名産の自然豊かな国です。

しかし中米最貧国と言われ、多くの人が貧しい暮らしをしています。

日本ではあまり知られていませんが、
ニカラグア出身の元メジャーリーガーのデニス・マルティネスは

1976年にメジャー初登板してから1998年までに245勝を挙げ、
1991年にはMLB史上13人目となる完全試合を達成するなど、
ラテンアメリカ出身投手の中で最も勝利数を挙げている大スターです(2018年シーズン開始時点)。

また、
1996年アトランタオリンピックでは4位という成績を残し、
現在野球世界ランキング13位というサッカーが盛んな国の多い中南米には珍しく、

野球が国技とも言われるほどの野球大国です。

このような環境の中、
少年たちの中には国の代表やプロ野球選手を目指して練習する子も少なくありません。

近年は潜在能力を評価されメジャーリーグと契約する選手も増えてきました。

1人の少女の想いから動き出した女子野球

ある日、いつものように野球教室に行くと1人の少女が話しかけてきました。

「野球をやりたい、男子みたいに試合をしてみたい。

ずっと野球をすることに憧れていたの。」

彼女は涙を流しながら私に訴えてきました。

彼女には兄弟が8人います。

毎日弟たちの野球教室の送り迎えをしながら、彼女は自分も野球をしたいという思いを募らせていました。

ニカラグアではスポーツにおける女性の機会が少ないことが問題視されています。

私が野球の普及のために小学校へ行くと、女子が1人も来ませんでした。

先生が女子生徒たちに対して「野球は男子のスポーツ」と言っていたからです。

このような思い込みや偏見の残るニカラグア

声を上げた彼女の想いに心を動かされました。

そこから1年間、
女子野球の普及を目指して
様々な学校で野球の授業や女子向けの野球教室を開催しました。

もともとニカラグアで人気のあった野球。

機会が無かっただけで多くの女性たちが野球をしたいという気持ちを持っていました。

そこから瞬く間にチームができ、
遂に2017年3月に「第一回ニカラグア女子野球リーグ」が実現し

全国放送もされました。

1人の少女の想いが、

国内の女子たちを動かし、多くの人々を感動させた瞬間でした。

ニカラグア女子野球発展のために

初のリーグ戦から約1年経ち、
国内15チーム、約200人が野球をするまでになりました。

今まで野球が好きでも見ることしかできなかった少女達が

グラウンドで必死にボールを追っています。

大好きな野球をプレーする喜び、
そしていつかは男子のように国際大会に出たいという

大きな夢を持ちながら一生懸命プレーしています。

「女子野球」はニカラグアの次の世代の子ども逹に大きな希望を与えています。

しかし、
今年5月から続く大規模な国内の反政府デモの影響で国内の情勢が大きく悪化し、

私を含めたJICAボランティア全員が帰国を余儀なくされました。

そして多くの選手がチームの存続問題や経済的な理由により

野球を続けることができなくなってしまいました。

こんな状況の今だからこそ、
彼女たちにもう一度「夢と希望」を持って野球を楽しんでほしい。

野球をすることで人生の可能性が広がることを知ってほしい。

そして彼女たち自身の手でニカラグア女子野球を発展させていってほしい。

チーム発足当初はユニフォームすらなかったため、
大阪の履正社スポーツ専門学校北大阪校様をはじめとした

日本の方々から多くの野球用品を寄贈していただきました。

遠く日本からの支援に感動し、
彼女たちは「日本野球」に憧れを持つようになりました。

日本は「女子野球先進国」でもあり「世界一」を誇っています。

そんな彼女たちの憧れの日本女子野球から学ぶ知識や経験は

ニカラグア女子野球を救い、さらに発展させていくために必ず必要だと考えます。

そしていつの日か
世界唯一の日本女子プロ野球リーグでプレーする

ニカラグア人選手が育つのが私の大きな夢です。

阿部翔太