国際大会は続く

みなさん、こんにちは。今回で16回目の登場、とよっちです。

現在の日本プロ野球は日本シリーズが終わってひと段落ですね。でも、来月からは「WBSC世界野球プレミア12」が始まるので、これからも野球は続きます。

シーズンオフと言われる時期でも今はこのプレミア12をはじめ、世界各地のウインターリーグのおかげもあって1年中、野球を楽しむことができるようになりました。とてもありがたいことです。

さて、国際大会といえば、先日、台湾で「アジア選手権」を見てきました。アジア野球最高峰の大会と言われるもので、今回はこの観戦レポートです。

 

歴史が動いた

10月14日から20日にかけて行われた今大会。一言でまとめるなら「大きく歴史が動いた大会」でした。その理由は最終順位に表れています。

【アジア選手権2019 最終順位】

1位 台湾/2位 日本/3位 中国/ 4位 韓国

5位 フィリピン/6位 香港/7位 スリランカ/8位 パキスタン

これまでのアジア野球の勢力図として日本・韓国・台湾・中国で構成される「アジア4強」の下にフィリピンやパキスタンらが続くというと状況が続いてきました。アジア4位の中国でさえもその上の3チームになかなか勝てないと同時に、フィリピンやパキスタンらも中国になかなか勝てないのです。つまり、中国がアジア球界を一変させる可能性を秘めているのです。

今回のアジア選手権ではこの「なかなか勝てない」という状況が変わったのです。予選ラウンドで中国が韓国に4-3、フィリピンが中国に1-0と下剋上を成し遂げました!また、3位決定戦で再び中国が韓国を破ったのです。8回に一挙、6得点を挙げて8-6で逆転勝利しました。

通常ならば、今大会でアジアの頂点を決めて終了なのですが、今年は東京五輪の予選も兼ねていました。上位2ヶ国が来年、開催される最終予選に出場できる仕組みで、先述した最終順位に沿えば、台湾と日本に権利があります。しかし、2位になった日本は既にホスト国枠で五輪本戦出場が決まっているので、ここでは除外して3位になった中国にその権利が移ります。

ちなみに台湾は11月開催の「WBSC世界野球プレミア12」で韓国・オーストラリアよりもよい順位になれば自動的に五輪行きが決まることになっていますが、たとえここで負けても最終予選という「保険」があります。その逆に韓国は崖っぷち。自力で行くには勝つしかありません。台湾がプレミア12で五輪行きを決めれば、最終予選に出場できますが、他力本願なのでかなり大変な状況です。

 

西アジア地域の危機

下馬評を覆す結果となったアジア選手権。これからアジアの勢力図が変わるという期待感と同時に危機感もありました。それは、下位に沈んだスリランカとパキスタンの状態です。

この2ヶ国は7月にスリランカで行われた「西アジアカップ」を勝ち抜いてきました。スリランカは日本野球を基礎にした守りを武器に接点をモノにして優勝。パキスタンも自慢の強力打線で決勝まで多くのコールド勝ちを収めてきました。最後は1点差で敗れたものの、現地で試合を見てきた自分は「これはアジア選手権でいい順位になるのではないか」と思っていたのです。

そして約3か月後、フタを開けてみると両国ともに残念な結果となってしまったのです。何が残念かというと、共に大きく戦力ダウンしていたこと。スリランカは雨の影響などで十分な練習ができず、パキスタンは大幅に出場選手を入れ替えたかつ、ビザ問題で選手が揃わないという状況だったのです。大会ではスリランカはわずか1勝のみ、一方のパキスタンは全敗に終わりました。

試合結果はこれが現実なので受け止めるとして、今後を考えたときに危機感があるのです。

スリランカについては、日本の影響力が強すぎるということ。この国は2002年からJICA青年海外協力隊の支援のおかげで野球が浸透してきました。もちろん、多くの隊員の協力があってこそのスリランカ野球であり、基礎を築いたという点では大きな功績です。支援開始から約17年、スリランカは今後、JICAだけではなく、日本からの支援がなくとも、やっていける体制に変わっていかなければ未来はありません。

もちろん、連盟の資金や現地に野球用具店がないなど、問題があることは理解しています。これまではグラウンドづくりや野球道具の収集、試合開催などほぼ、日本に頼りっぱなしでした。7月に自国で国際大会を開催できたことをきっかけに今後は日本からの自立に向けた動きが必要です。このままでは「甘えん坊」と言われても何も言えません。一体、スリランカ野球とは何なのか、これを現地人のみで考えていかないといけないのです。

一方のパキスタン。ちょうどアジア選手権の時期にはパキスタンで大きな国内大会があり、主力がそちらに流れたという話でした。そのために選手が大幅に入れ替わり、アジアの頂点を決める大会に「Bチーム」で臨むことになったのです。この国は毎回、ビザの問題で選手が揃わないためにいつも人数が苦しい状態です。今回のアジア選手権もケガ人もあり、試合をするのもやっとでした。

 

最近ではU12やU15といったユース選手の成長が著しいと言われているパキスタンですが、今のトップチームにはもうこれ以上の成長は望めません。数年前にイーサン・ウラーというパキスタン史上最強投手がいたのですが、彼が代表を抜けてからというもの、チーム自体は国際大会に出場するものの、成績は残せていません。彼がいたときには中国にも勝てるのでは、とも言われていました。

これはもう過去の話。これからを考えると世代交代が急務です。パキスタンはMLBとの提携を狙っているとのことで資金はうまくまわるかもしれません。それは連盟会長の腕次第。一旦、トップチームは国際大会に出場せずにユースの育成に力を入れて世代交代を目指してみてはどうでしょうか。このまま落ちていくのはもったいないのでもう1度、パキスタングリーンの復活を期待したいところです。

後は国際大会に出場するのならビザ問題を解決してほしいところ。選手達には気持ちよく試合に臨んでほしい、と祈るばかりです。

まだまだ、書きたいことは多いのですが、今回はこのへんで!

とよっち